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「脱炭素」勉強ブログ Vol.6

2022/01/12

省エネプラスがお届けする「脱炭素」情報

              第6回 これから「脱炭素」はどう進む?日本の方針と政策は?②              

前回のブログで日本が国の方針として「脱炭素」をどう捉え取り組んでいく計画をしているかを紹介しました。カーボンニュートラルを実現していく
ための「国策」として取り組みながらも、日本の成長戦略の大事なポイントとしても捉えていることが分かったと思います。
この大きな潮流は、企業にとっても「脱炭素」に向けての取り組みとして強い影響を与えています。
今回は無視する事の出来ないそんな流れをご紹介していきたいと思います。


 これからの企業に求められるもの 
求められる「脱炭素経営」へのシフト
この脱炭素に向けた急激な社会変化は厳しい規制や制約としての面が強く意識される場面もあるかと思います。
例えば、再エネ電力を調達すると電気代が上がるのではないか、化石燃料の使用が制限されると自社の製品製造が困難になってしまうのではないか、
温室効果ガスを多く排出する自社と取引する会社が少なくなるのでははいか、などの不安をもつ企業さまもお見えではないでしょうか?

さらにSDGsの考え方が広まっている中、消費者からも持続可能でない事業活動への視線は年々厳しくなっています。

近年、「国際イニシアチブ」に参加する大手企業が増加し、脱炭素への取り組みをサプライチェーンも含めて取り組み、「投資家」「金融機関」「取引先」
への信頼へとつなげる動きが加速化している


出典:20211031 環境省_統合版_脱炭素経営の状況

 脱炭素を後押しする税制と金融機関の取り組み 
  税制 
「カーボンニュートラル」という野心的な目標に相応しい大胆な税制支援を措置。企業による短期・中長期のあらゆる脱炭素化投資が強力に後押しされることにより、
10年間で約1.7兆円の民間投資創出効果を見込む

出典:令和3年度(2021年度)経済産業関係 税制改正について(経済産業省 )

  金融 
カーボンニュートラルに向けたファイナンス資金、すなわち国内外の成長資金がカーボンニュートラルの実現に貢献する高い技術・潜在を有した日本企業の取り組みに
活用されるよう、金融機関や金融資本市場が適切に機能を発揮するような環境整備が必要、との方針のもと2021.6に「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律」
の一部が施行され、金融機関が脱炭素投資を行うにあたって利益を得られる仕組みも整い、金融、資産運用大手各社の脱炭素転換の動きはより活発化してきました。
その大手の動きはまさに「脱炭素ドミノ」のように、地銀による脱炭素投融資の商品開発の動きへとつながっています。

【大手金融機関の取り組み】

↓   ↓   ↓ その普及の仕方はまさに「脱炭素ドミノ」
【地方金融機関の取り組み】
滋賀銀行・群馬銀行・肥後銀行・京都銀行などサステナビリティ・リンク・ローンの商品を扱う地銀が続々と。また、SDGs関連では静岡銀行・千葉銀行・西日本シティ銀行など…

地域の脱炭素化と、地域の企業の持続可能性と企業価値の向上に貢献しながら、金融機関としての利益も得るための環境が整い、回り始めた感じです。
この流れは今後、より身近になっていく事でしょう。しかし、ここで大切なのはこういった投融資カーボンニュートラルが決して金融機関からの一歩的な流れだという事ではなく、
中小企業の方からの能動的な動きも活発化しており、それらに応えるという形で商品を開発しているという流れもあることです。

企業を取り巻く環境は「評価」「税制」「資金」といった企業活動に密接な部分においても「脱炭素」へ向けた取り組みにつながるような流れとなっています。
実際、私たちへも「脱炭素化」への取り組みのアドバイスをして欲しいとの要望も頂いております。
この変化を「制約」と捉えるか「チャンス」と捉えるか。あらゆる企業はまさに大きな変化のなかにいるといえるでしょう。


 次回:これから「脱炭素」はどう進む?日本の方針と政策とは?③ を予定